あらすじ
杉下と山下は福井県の二本松中学校の社会科教員。杉下は再雇用の60歳。山下は38歳の独身。
2020年7月25日、福井県鳴鹿大堰で女性の死体があがる。被害者は佐久間美佳、宮内庁に勤める学芸員、3か年にわたるNHK年末大河ドラマの題材を選ぶ意見書をNHKから任されている。候補地は奈良県を舞台にした卑弥呼の物語と福井県を舞台にした継体天皇の物語の2つ。継体天皇についてはその出自が謎のため、保守勢力からも強い反対の声が上がる。越の国を治める王だったが、大和朝廷の武烈大王の死後、後継者が途絶えたため、大和朝廷の王として即位するように依頼が来たとされる。大阪で即位するが、奈良に入るには20年近くかかった。事件の関係者として永平寺町教育委員会の反保裕司と奈良県庁の野坂公次がリストに挙がる。3人は早稲田大学大学院歴史学教室の同級生という間柄。自らの潔白を証明したい反保は杉下に捜査を依頼し、反保自身は山場を迎えた二本松山古墳の発掘調査から手が離せないでいた。杉下の調査を支えるのは山下佐知子。2人の捜査活動は東京へ出向いて聞き込みを行うなどして佐久間美佳の足取りと事件の背景をつかんでいく。
佐久間美佳は調査のため、奈良と福井を訪れていたが、調査中に福井の九頭竜川で何者かによって殺害される。しかし、杉下と山下、福井県警の林田の大阪、尼崎、京都、奈良をめぐる捜査で、野坂、佐久間、反保の3人はそれぞれ永平寺町にまつわる子孫であることが判明する。事件は程なく解決するが、反保学芸員は死んだはずの2人の「自分を信じて・・」という声を頼りに金印の発掘に成功する。金印には「親那越王」と刻印され、越国が那国(高句麗)と交流をしていたことが判明する。高句麗は越国と連携して大和朝廷を挟み撃ちにしようしていた仮説が成り立った。発見者の反保は国立博物館の協力を仰ぎ、大学時代の恩師、中川教授の力も借りて、保守勢力の逆襲をかわし、マスコミ発表までこぎつける。反保と山下は結婚し、命がけで反保の研究を守った佐久間と野坂のためにも、研究の成果を北陸古代史学会で発表し、日本の古代研究に新たな1ページを加え、北陸に歴史探検ブームを巻き起こすことに成功する。