あらすじ
痩躯の美青年シャオは子どものころに売られ、あこぎな商売に手を染めるフンテオ一座で働いている。腕利きで冷酷なシャオは十九歳の若さながら、一座の縄張りでおそれられていた。 ある晩、一座のさらってきた娘たちが生き別れとなった最愛の妹・トーアに似ていたことからつい同情し、シャオは娘たちを逃がしてしまう。そのために一座に処刑されかけるが、間もなくはじまる鳳凰の試験を受け、報奨金を身代金として上納するなら見逃してやるとフンテオから取引を持ち掛けられる。 鳳凰は皇帝の側室であり、国の守り神となる存在。候補となった十七歳の少女たちのなかからただ一人が選ばれる。トーアとの再会を悲願するシャオは生存の可能性に賭け、男を女と偽り年齢も詐称し、後宮入りを決意する。 宮殿でシャオは現皇帝のドゥグアロイと謁見する。皇帝も役人も、鳳凰候補の娘たちもシャオが男だとは気づかず滑り出しは順調かに思われたが、皇帝のそばに控えていた謎の青年、ダイダムには男だと見抜かれていた。 ダイダムは前鳳凰の息子で、ドゥグアロイの異母弟。後宮で祈りを捧げ続ける母の姿を幼少期から目にしてきたダイダムは鳳凰制度に疑問を抱いており、男が鳳凰に選ばれたという事実で制度への信頼をゆらがし、伝統を壊そうと画策する。 シャオを鳳凰にするという目的を同じくしたシャオとダイダムは手を組むことになり、シャオはダイダムからもたらされる情報で試験を有利に進める。秘密の協力関係を通じて、二人の絆はすこしずつ深まっていった。 そんな折、シャオが男ではないかと疑った娘たちから、シャオは男にしか効かない媚薬を盛られてしまう。男だと発覚すれば試験が終わるあせりからシャオはダイダムに助けを求めるのだが、解毒方法は男性の精を体に取り込むことと言われ愕然とする。治療目的とはいえダイダムは、目のまえの相手を真剣に愛するのが流儀と言い、慈しみを持ってシャオに触れる。 かつて妹と別れたことで愛を失い、家族愛以外の愛情を信じらないシャオはまだ恋も知らない。だがこの窮地をきっかけにシャオは、何度倒れてもあきらめない不屈の強さを持つダイダムに惹かれていることを自覚し、その精神に感化されていくことになる。 娘たちの美貌や芸事の才能を測る第二次試験までとは異なり、第三次試験からは鳳凰の選抜らしく、候補者たちの超自然的な能力を試すような神秘性を徐々に帯びはじめ、試験はやがて候補者たちの命まで脅かすような壮絶さを極めていく。 失敗すればすぐさま一座に始末されるという緊張感、得体の知れない皇帝の思惑、ダイダムとの絆のはざまでシャオは葛藤し、追い詰められていく。果たしてシャオは鳳凰の座を手にして自由の身となり、失った愛を取りもどせるのか。