あらすじ

雨に濡れながら、一緒にご飯を食べてくれる誰かが現れるのを、ずっと待っていた。 ―――――――――――――――――――――――――― 「中学3年生の時から6年間、ずっと好きだった女の子がいる。君にストーカーを手伝ってほしい。その子の日記を盗み見てほしいんだ」 「……えっと、話しかける相手、私で合ってる?」 「君は、透明人間になれるんだろ」 大学三年生の男子、千笠優(ちがさゆう)からの突然の要求に対し。 孤独な美少女、神田桜(かんださくら)は拒絶を示していたが、1年の時を経て彼の願いを聞き届けることに同意する。 ストーカー決行の最終日。 想い人の家への侵入に成功した後の帰り道、桜の悪意を感じ取った優は激怒する。 彼女の弁明も聞き入れず、一方的に距離を置いた。 雨に隠されていた、もう一つの物語があるとも知らずに。 ―――――――――――――――――――――――――― 大学なんて、ずっと辞めたかった。 人が集まれば集まるほど、自分の孤独が浮き彫りになった。 膨大に与えられた時間は、全て後悔と自己嫌悪に費やされた。 授業中も、昼休みも、放課後も。あるいは、大勢の誰かに囲まれている時でさえ。 ずっと、独りぼっちで。死んでしまいたかった。 そういう。 誰とも結ばれなかった過去のおかげで、会うべき人と巡り会えたのだとしたら。 絶望した過去が、運命の人との仲人だった。 「透明になるにはね、重大な副作用が伴うの」 雨が降り続く人生に、てるてるぼうずを吊るして祈る。 あしたてんきに、なあれ。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
小説を読もう
小説を読もう2020/02/15
  • 現在の作品雨の日に笑うの、透明人間。