あらすじ

兄のローレゲンがミレーナと婚約してから1か月ほどが経過した。この1か月は本当に心の安寧を保つことができなかった。…地味で内気で、まじめという全くつまらない性格をしているミレーナ。…ああいう女を見ているだけでもイライラしてくるのに、同じ屋根の下で生活するとなれば我慢も限界だった。

「お兄様…お姉様がまた私の洋服を破る嫌がらせを…私何も悪い事をしていないのに、これで3度目ですわ…わ、私どうすれば…」

 できるだけ泣き顔を装い、兄のローレゲンに泣きつく。

「まったく…何度も何度も叱っているのに、どうしてリエスティラをいじめるんだ…彼女がかわいいのは分かるが、だからってこんなことやっても仕方がないだろうに…本当にどうしようもない…」

 もちろん、洋服を破ったのは私自身だ。…しかし純粋で私を溺愛してくれているローレゲンは、私の言う事を疑ったりはしない。

「…これ以上彼女をいじめるなら、もう彼女との関係も見直さなければいけないな…こうなっては婚約も考え物だ…」

 私が考えていた以上に、兄は私の味方でいてくれるらしい。…これはもう少しいけるのでは…

「…私、お兄様とずっと二人で暮らしたいですわ…どこの女とも分からぬ人間にお兄様を奪われるのは、さみしくて仕方がありません…」

 兄を悩殺するには、十分すぎるほどの刺激であった。

――――

「ミレーナ、君との婚約は破棄する。リエスティラをいじめていた君に反論の余地はないはずだ。大人しく出て行ってもらおう」

「…そうですか、そんなにもリエスティラの事が嫌いなのですね、あなた様は」

「何を言ってる?リエスティラが大切だからこそ私は…」

「分かりました。婚約を破棄することに同意いたします」

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