あらすじ
「また私にプレゼントをもってきてくださったのですか、お兄様!」
「ああ。君の喜ぶ顔をどうしても見たくてね。気に入ってもらえると嬉しいのだけれど」
その会話だけを見れば、大変に仲睦まじい兄妹に見えるかもしれない。しかしこれは異常なほどの関係であった。
「けれど、私ばかりがこんなに幸せになったらなんだか申し訳ないですわぁ」
彼女が言ったのはもちろん、兄ブレンラの婚約者、自分にとっては義姉にあたるロージュに関してだろう。こうしてわざわざ言葉にするあたり、彼女を煽る意思があることは間違いない。
「心配することはないさ。僕にとって一番大切なのは間違いなく君なんだ。それを理解できないような相手に、かける愛情などかけらもないとも」
彼の言葉は一切嘘偽りのないものだった。だからこそ性質の悪い愛情であり、周囲の人々からも不安視されるようなものだった。