あらすじ
リディア・ベネットは裕福な商家の娘だった。
父親は海外から珍しい食べ物などを輸入販売しており、リディアも新しい食べ方を研究するなど、豊かな食生活を広めようと努力していた。
そんなリディアには、婚約者がいた。没落して、借金で首が回らなくなった、下級貴族の息子ウォルト・マクベスだ。本来リディアが貴族と結婚するのは難しいが、父はマクベス家にことあるごとに援助してきた。
新しい礼服を新調する、客室の模様替え、全てリディアの父が都合してきたのは、お互いにメリットがあるためだった。この結婚でベネット家には爵位が、マクベス家には富がもたらされるはずだった。
盛大な婚約披露パーティーの準備が進められ(もちろん費用はベネット家が支払っている)、幸せの絶頂にあるリディアだったが、突然婚約破棄を言い渡される。ウォルトはもとより、格下相手との結婚を望んでおらず、子爵令嬢のロレッタ・ハンティントンと浮気していたのだ。
悲しみのあまり、森の中で自殺しようとしたリディアは、自分と同じく自殺しようとしている人を見つける。身なりは立派だが、豚のように太った男性ジョシュア・ハーシェルだった。
ジョシュアもまた体型のことで、家族から疎まれ死を選ぼうとしていたのだった。
リディアは思わずジョシュアを助けてしまい、森の中でふたりで自活し、助け合うようになる。
料理が得意なリディアは、ジョシュアに美味しく健康的な食事を提供し、それが生き甲斐になっていく。ジョシュアもまた、生きる気力を取り戻す。
ジョシュアの食欲は「精神」や「意志」の力によってコントロールできるものではなく、
ある種の病だったのだ。森での生活で、逞しく健康になったジョシュアの正体は――?!