あらすじ
あらすじ
『――十七歳になるまでに30デシコロンの孤独を集めると、魔法使いになれるんだ』
不登校の引きこもり時代にそう言ってくれた姉は、十七歳になることは無くこの世から消えてしまった。
突然に娘を失くしバランスを崩してしまった母の入院先へと引っ越した一家の中で懸命に生きようとする主人公は、夏のある日、都会から引っ越してきて同級生と上手くいかない小さな女の子と出会う。
呼吸をする度に溜まっていくような孤独を感じていた主人公は、少女が唱えた魔法により、夏休みの間その使い魔となる事を誓う。
そして十七歳を目前にした高校二年の夏休みの最終盤、『前の学校の友達に会いたい』という彼女の魔法を叶えるために、彼女を連れて東京へと飛び出す主人公。
だが、あまりにも無計画なその旅で彼女の友達を見つける事は出来なかった。疲れ切った子供を連れた無知で無力な少年は、大都会の夜の中で泊まる場所にも苦労する。
始発の電車を乗り継いで田舎へと帰り、迎えた十七歳の朝、新学期初日。
小さな友達の魔法は解け。人間に戻り。魔法使いになることは無く。
それでも何かが変わったのかもしれない朝、何事も無く始まった二学期の学校へと登校する。
というお話です。