あらすじ
侯爵令嬢アナベル・フォレスティエには公爵令息のダミアン・ロシュフォールという婚約者がいた。
しかしダミアンは近頃屋敷で雇用し始めたというメイドのマノンに夢中になってしまい、アナベルの事など全く見向きもしてくれなくなった。
アナベルはどうにかしてダミアンの興味を自分に戻そうとお茶会やデートに誘ってみたり、思い切って大胆な下着を身に付けて誘惑してみたりもしたが、ダミアンはまるで誘いに乗ってくれないばかりかそもそもアナベルの事など知らないとでも言わんばかりの態度だった。
そんなダミアンの態度を不審に思ったアナベルは二人の周囲を調べる事にした。
すると、マノンが怪しい薬師から怪しい薬を購入している事が分かった。試しにアナベルもその怪しい薬師に接触してマノンが購入していた物と同じ薬を購入、身元の確かな薬師に薬効を調べてもらうと、その薬が極めて効果の高い惚れ薬の類である事が分かった。
この国では惚れ薬は使うのは勿論、売るのもましてや作るのも禁止されている。惚れ薬は使い方次第では容易く人を洗脳する事が出来てしまう危険な薬だからだ。過去にこの薬が出回って多くの被害が出た事で禁止されたのだ。所持している事自体は罪ではないが……それが惚れ薬だと分かった時点で然るべき場所に連絡を入れなければ、それは罪になる。つまり、惚れ薬を売っていた薬師と惚れ薬を使っているだろうメイドのマノンは犯罪者という事になる。
それが分かった時点で、アナベルはすぐに国の騎士団に連絡を取って二人を捕まえる体制を整えた。
運良くこちらの動きを察して逃げようとしていた薬師も捕らえる事ができ、残るマノンは騎士団の動きに気付いていなかったようで、アナベルが騎士団を率いてロシュフォールの屋敷に出向くと大層驚いていた。マノンは特別な訓練なども受けていなかったので特に苦も無く捕まえる事が出来た。
その後、すぐに脱惚れ薬とでも言うべき薬が作られ、ダミアンも無事に助けられた。アナベルがダミアンの迂闊さを厳しく叱ったものの、二人はそれからも仲睦まじい生活を続けやがて結婚した。
二人の結婚生活には笑顔が満ち溢れていた。