あらすじ

当然、皆は私と翔馬に注目する。私は『チッ』っと舌打ちしながら翔馬の箸を取り、翔馬の弁当からオカズを一つ取ると翔馬の口に運んだ。 「はい、口開けて……」 投げやりな感じで指図し食べさせる。可愛い。そして自分の箸に持ち替え自分の弁当を頬張る。 これを二度繰り返す。それを周りの男子が羨ましそうに見る。 「いいな翔馬。真壁さんに食べさせて貰うなんて……犬猿の仲なのに……つーか真壁さんが食べさせる必要無いじゃん!」 「だって朝、皆アホ翔馬の怪我見た後、まるで私がやったかのように私の事見るんだもん。しかも全員。そんな目で見られたらなんか私も『申し訳ないな』って気分になっちゃって……うん、だったら変わってくれる? それなら願ったり叶ったり何だけど(断れー! 頼むから断れー!)」 私は翔馬の弁当と箸を男子に差し出す。内心、取るんじゃないかとドキドキだ。 「えー、それは絵面的に……ないない」 「(ヨシッ!)じゃあ、黙って見てて……いや、見ないで。恥ずかしいから向こう向いてて頂ける?」 そう言ってご飯を取り、翔馬の口に運ぶ。そして箸を持ち替え自分のご飯を食べる。 「……なんか箸持ち替えるの面倒ね。私の箸でいいよね?」 「「「え!」」」 私の言葉に教室に居た全員が驚き私達に注目する。勿論、態とだ。私は意図してやってる。 「あ、箸に口触れないでよ。触れたらコロス!」 そう言って、私の箸で翔馬のオカズを取り、翔馬の口に運ぶ。 「ほら、口開けて……触れんなよ!」 手にしたオカズは小さ過ぎておかずだけ口で取るのは困難だ。オカズは既に口に入っているが私はオカズを箸から離さない。 翔馬が口で取るまで箸からオカズを離さないでいた。 翔馬はおかずを「パクッ」っと食べるが当然、唇は箸に触れる訳で、場にいる者全員が「あ!」っという顔をした。 「……何触れてんのアホ翔馬! コロスって言ったよね?」 「いや、あれはオカズが……奈々菜っちが食べやすい大きさにし過ぎたからであって、奈々菜っちの俺に対する思いやりの結果?」 勿論、私の『優しさ』と『計算』だ。優しさに気付く翔馬好き♡ 私の脳ミソは完全にお花畑になっているから宜しく。 「だから奈々菜って呼ぶな! 分かったわよ。今のは不可抗力って事で許してやるよ」 と言いながら、私は自分のオカズをその箸で摘み、自分の口に頬張った。 そして翔馬を見るが……ダメだ。睨んだ顔が維持できない。口元がニヤニヤを抑えようとフニフニする。 私は完全に間接キスを意識していた。

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カクヨム
カクヨム2023/10/13
  • 現在の作品イケメンと美少女がイケメンと美少女である事を隠しながら学園生活を無難に過ごす物語