あらすじ
私の両親は、私が幼いころに離縁した。私は母に引き取られ、その母はその後すぐに出会った男性と再婚を果たした。そしてその男性の連れ子だったのが、私の義妹となるセリーフィアだった。
彼女は信じられない程自己中心的で、それでいて周囲から人気を集める人物だった。…それゆえに私はすぐに居場所を奪われ、彼女もまた私の暗い顔を見ては心の底から楽しそうな表情を浮かべるのだった。…そんな私が婚約することになり、ようやくこの生活も終わりを迎えると思っていた矢先、事件が起こった。
「…まさかあなた、カインズ様を誘惑したの…?」
「くすくすくす…私が少し甘い声で声をかけたら、すぐに私になびいてくれましたよ?恨まないでくださいお姉様、私は何も悪くないのですから」
なにひとつ悪びれる様子もなく、むしろ困惑する私の表情を観察して喜びの表情を浮かべている。…私のものを奪う事に飽き足らず、ついには婚約者までも奪って行った…
「くすくす…そんなお顔をされても、もう彼の心は私の所にあるとのことですので…繰り返しになりますが、恨むなら自分の魅力のなさを恨んでくださいよ?私も彼も自然にふるまって、その結果としてこういった結末を迎えることになったのです。それはひとえにお姉様に彼をつなぎとめる魅力が無いからであった、悪いのは私たちではないのですから…くすくす」
「そうね…もう私との婚約は取り消して、あなたと結ばれることが決まっているのかしら…?」
「ええ、もちろんですわ。ですからもう心配は無用です。お姉様の出る幕はもうどこにもありませんから、どうぞ潔く身を引いてくださいませ。くすくす…」