あらすじ
王宮を統括するリヴァイエス第一王子は、いらだちを隠せていない様子だった。
「またこんなろくでもない婚約者を立てて来よって。いいか?私は栄光ある第一王子であるぞ。並大抵の女などよこされても不快にさせるだけであると知れ」
自分が誰でもいいから連れてこいと言っておきながら、少し時間がたてば気分を変えてこの有様だった。私は婚約者の立場にあるわけではないけれど、まるで自分がその目にあうかのような感情を抱いていた。なぜなら今回の婚約相手であるセイレスを立てたのは、私なのだから。
「セイレスを立てたのはアイリーン、お前だったな。やれやれ、王宮にいたってまともな仕事もできない上に、こんなろくでもない女を連れてきて…まるで第一王子たる私を馬鹿にしているようにしか見えないな」
「それは誤解です。私は何度も何度も話し合いを重ね、検討を重ねたうえで」
「言い訳は聞きたくない!」
そうリヴァイエス王子は声を荒げ、私の言葉を封殺する。自分に非があるからこそ、このようにして反論するしかできないのだろう。以前に彼が提示してきた条件の全てをセイレス様は満たしている。それにもかかわらず、今回また気分の違いから相手を受け入れず一方的に追放しようとしている。そしてその責任を私に押し付けようとしているのだった。
「もう何度も言わせるな。お前はもう用済みなんだ。早くここから出て行ってくれたまえ」