あらすじ

庭にダンジョンができて困っています。――37歳男性 2022年3月4日、朝起きたら庭にダンジョンができていた。 初めて見る生のダンジョンに慌てふためきつつ警察へ通報。 自転車でやってきたお巡りさんは、その入口をちょっと覗いて困った顔をした。 「完全に私有地に入ってるし、差し迫った危険も見受けられないし。これは、事件が起きてからでないと警察は動けない案件かなぁ」 「えっ、なにか起きるまで待てっていうんですか!?」 「いやいや、ちょっとでも危険を感じたら通報してよ。そうしたら駆けつけるから」 唖然とするしかなかった。なんのための警察なのか。罵詈雑言をツイートしてやろうと思った。 「あ、もし自分で撤去するなら、自治体に費用の補助とか申請できるはずだよ」 そう言ってチラシを一枚置いていったから、かろうじてツイートは差し控えてやった。 *** 午後イチで区役所を訪れる。 チラシに書いてあった環境整備課で受付のお姉さんに事情を話した。 彼女はとても親身に話を聞いてくれ、そして引き出しから次々と書類の紙を取り出した。 「お話を伺った状況から判断しまして、危険度等が不明ですので提出していただく書類は『ダンジョン撤去費補助金交付申請書様式1のc』と『ダンジョン撤去費補助金交付申請概要説明書様式2のc』、『ダンジョン撤去費用内訳明細書様式4』と『ダンジョン所有者等駆除費内訳明細書様式4のc』、『ダンジョン駆除費補助金交付申請誓約書様式5』と『ダンジョン……』」 親切丁寧に説明してくれるのはいいが、その申請に必要な記載内容ときたら、ダンジョンの規模だの見取り図だの|ダンジョン所有者《ラスボス》情報だの生息|敵性生物《エネミー》の数量だのと言う。 「書き方で分からないことがあれば、何度でも来ていただいて、ご説明しますので」 かわいい笑顔で励ましてくれるが、ダンジョンの見取り図とかどうやったら書けるというのか。 「それは撤去業者の方とご相談いただいて」 市の指定ダンジョン撤去業者一覧なるものを渡された。 *** 「ダンジョン撤去の見積もり無料を謳う詐欺業者にご用心!」 ネットのクチコミが良かった撤去業者のサイトトップには、そうでかでかと書かれていた。 ダンジョンは入ってみなければ分からない。無料で見積もりなど土台無理、ということらしい。 その丁寧な説明とダンジョン撤去一筋15年という経歴を信じて、俺はその落合さんという人に頼むことにした。 電話の翌日すぐにやってきた落合さんは、思っていたより若い人だった。打ち合わせと費用内訳の説明を受けながら、ダンジョン撤去費補助金申請について質問してみる。 「うちはもちろん補助金申請対象業者なので大丈夫ですよ! ただ、行政書士ではないんで、申請の代行はできないんすよね」 記載に必要な事項の報告もオプション料金だと言う。しかも金額がなかなかかわいくない。 補助金とオプション料金がとんとんでは、申請する意味がなくなってしまう。 「それなら、同行オプションを利用するってのはどうですか?」 「同行?」 「そうですそうです。一緒にダンジョンへ潜るんですよ。ご自分の目で確認して、申請書を書くなら安く済みますよ」 絶対確実に安全は保証されないものの、これまで落合さんに同行した人で致命的な事態に陥った人は一人もいないと言う。 「けっこう皆さん入ってみたがるんですよね、ダンジョンのなか」 なんとも気安い落合さんの言葉に俺は物事を軽く考えてしまった。 そして同行オプションを選択。 庭のダンジョンへ落合さんと足を踏み入れ、こうして冒頭につながるわけだ。 ↑文字超過分。推し活関係ないのでカットし、しかしないと経緯が謎過ぎるのでここに貼っときますわ。

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カクヨム
カクヨム2022/03/05
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