あらすじ
「お姉様にはぴったいのお相手ではありませんか?エルレイン侯爵は」
楽しくてたまらないという表情でそう言葉を発するリシラ。彼女にとって姉のソフィーアは面白くない存在で、いつもいつもどう嫌がらせをするかを考えていた。
「侯爵様と婚約を?私が?」
突然にそんな話を振られてしまったソフィーアは、もちろん驚いた表情を浮かべた。
「いいでしょう?だって侯爵様ですよ?結ばれればお姉様も貴族家の仲間入りではありませんか♪」
しかしそんな気持ちの良い事をリシラが行うはずがなかった。エルレイン侯爵は呪われた貴族として有名で、不治の魔法によってその身を呪われてしまっており、もうそれを解くことは死んでもできないとされていた。そしてそんな彼に近づいた者は、次々に厄災に襲われると言われていた。
「私が先に婚約するだなんて、普段のあなたなら絶対に受け入れないでしょうに、相手が侯爵様なら話が違うようね」
これまでも婚約の話はあったものの、自分よりも先に自分が見下す姉に婚約されることが許せないリシラは、様々な手を使ってその婚約を妨害してきていた。しかし今回に限れば、彼女は乗り気なのだという。
「お祝い申し上げますわお姉様。これからはどうぞお二人でお幸せにお過ごしください♪私も定期的に様子を見に行かせていただきますので♪」
上機嫌にそう言葉を発し、どこかへと消えて行ったリシラ。
しかし彼女の思惑とは、違う形で現実は動いていたのだった。