あらすじ
「セレン、これは君の仕事だろうが。…それとも何か?こんな地味でくだらない作業を男の僕にやらせるつもりなのか?」
…信じられない事に、彼はこれでも私の婚約者だ。
「そ、そんなつもりは…す、すぐに取り掛かりますので…」
「まったく…静かでしゃべらないおまえなんて僕以外に引き取りてはいないぞ…少しはそのあたりも自覚したらどうなんだよ…」
私とて、この人と婚約したくてしたわけではない。半ば政略的な形で取り決められたものだった。
「は、はい…ごめんなさい…」
しかし反抗するような気力を全く持たない私は、いつもいつもこうして彼に従うばかりだった。
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「はぁ…どうしてこんなことに…」
自室で休憩をとりながら、私は一人考えを巡らせていた。…私はまじめに与えられた目の前のことに全力で取り組んでいるのに、誰にも全く賞賛されない…それどころか、全くまじめに取り組んでいないあの婚約者様の方が周りからもてはやされているような現実…
「…もう、まじめに生きていくのをやめようかな…」
…その時、私の心を縛っていた何かが消えて行ったような感覚を覚えた。…そうだ。まじめに生きる必要なんてないんじゃないだろうか…?
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