あらすじ
「ルベリーナ、君との婚約関係は今日をもって終わりにさせてもらうことにしたよ」
得意げな表情でそう言葉を発する、婚約者であるジャリアック。その表情の裏に何があるのかを、すでに私は知っていた。
「婚約破棄…ですか。新しいお相手はあなたが溺愛されている幼馴染のリラですか?」
その言葉に動揺するような様子もなく、彼は静かに言葉を返した。
「さあ?どうだろうな♪しかし君との婚約破棄が、間違いなく僕の新たな一歩の礎となることは言える。これは通過儀礼なんだよ」
彼は全く詫びるつもりなんてない。自分のほうから強引な手段で結んだ婚約を、すでにその役目が終わったからと破棄するというのに。
しかしそれをそのまま受け入れればいいのに、私も私で同情を捨てきれなかった。最後の良心から彼に対して警告をしてあげることにした。
「あの…悪いことは言わないので、彼女との婚約はやめておいたほうが…彼女のことは私もよく知っていますが、きっとあなたの期待に叶うような人物では…」
「はっはっは!なんだなんだ命乞いのつもりか?いや、婚約乞いとでも言うべきか?残念だが、そんな言葉で僕を言いくるめられるなんて思わないことだな。子供だって君の言葉が負け惜しみに過ぎないということを理解するぞ?」
彼は聞く耳を持つことなく、そのまま婚約破棄を決してしまった。それがみずからの深い深い後悔へとつながることだとも知らずに…