あらすじ
「…聞いたぞセナ…また私以外の男と会話をしたらしいじゃないか」
見るからに激怒している表情を浮かべながら、荒々しい口調でオルドはそう言った。
「し、しかし会話をするなというのは無理が…」
「言い訳なんて聞きたくない!!お前が私のいう事を聞かなかったのは事実じゃないか!!そんなに私のいう事が聞けないのなら消えてしまえ!!お前なんていなくなったって誰も困りはしないんだよ!!私のいう事を聞かないのならいられる方が迷惑だ!!!!」
「…」
これまでにも激しい言葉を投げられたことはあったけれど、消えてしまえと言われたのは初めてだった。
「…ですが、そればかりは守れるはずが…」
守れるはずがない。社交会やパーティーなどにおいて、いろいろな男性と会話をしなければならないタイミングは無数に訪れるのだ。…それをすべて行うななど、絶対にできるはずがない…
「うるさい!!いいから私のいう事を聞け!!次に私の言う事に逆らったらどうなるか覚えておけよ!!!」
…そう怒号を発したのち、彼は私の横をどかどかと通りすぎ、姿を消していった。…向かった先は間違いなく、自身がたいそう気に入っている使用人の女性の元だ。
「…そうですか…私にはそんなことを言っておいて、ご自身はそういうことを…それなら私は…」
私は決して、自分勝手に姿を消すわけではない。彼に消えろと言われたから消えるのだ。私は何ら責められる点を負ってはいない。そう自信を持って言える。