あらすじ
「げほっげほっげほっ…今日も体調が…」
こんな生活にも慣れてしまったけれど、腹立たしさだけは慣れることはない。結局周りの誰も私の味方にはなってくれなかった。
「…ベリスはこんなにも健気に頑張っているのに…ナナ、お前はなんだ。体が病弱なわけでもないのに、どうしてけなげに生きることができないのだ?」
あろう事かこんな言葉をかけてきたのは、婚約者であるフォルト様だった。彼はすっかり病弱を演じるベリスに心酔してしまった様子で、私の事など何のその、と言った様子を崩さない。…こんな生活にももう慣れたつもりだったけれど、私の心にはある考えが浮かんでいた。
「…もうどうでもいい…病弱を演じているだけなのに看病をさせられて…それさえも手抜きだとか愛がないだとか…こんな生活はもううんざり…」
私がいなくなったところで、別に誰も困りはしない。それならこの選択を取ったって別に構いはしない。
「…さようなら、みんな」