あらすじ
「また失敗したらしいぞセレスティーナ…」
「こうなると思ったんだ…だから妹君のエリス様にお任せするように言ったのに…」
「そんなの無理に決まってるでしょ?だってセレスティーナはエリス様の事を嫌っているんだから」
「はぁ…くだらないこだわりのために周囲に迷惑をかけるのは止めてもらいたいものだ…」
――――
そう陰口が叩かれているのは、この屋敷の主であるユークリッドの婚約者であるセレスティーナだ。彼女は内気な性格で、思っていることをなかなか周囲に漏らさないタイプであったために、いわれのない悪口を言われてしまう事がよくあった。その悪口の主犯ともいえる人物が、ユークリッドの妹であるエリスだった。彼女は兄の婚約相手であるセレスティーナの存在が面白くないために、一方的にありもしない彼女の噂話を周りの人間に流していた。その噂は後にセイクリッドの耳に入ることもあり、セレスティーナはそのことに関して怒られることもざらではなかった。
そのような形で冷遇されていた彼女は、ある日その思いのままに行動に出ることを選んだ。
――――
「い、いなくなっただって?…も、問題ない。しばらくすれば向こうから出てくることだろう。大体あの女はいつもいつもエリスをいじめていたんだ。ここで彼女に同情するような必要は一切ないんだから」
自分の妹であるエリスを信愛しているためか、彼女の言っていることを全てのみこんでしまうセイクリッド。だからこそ、この時呼び戻せばまだ傷は浅く済んだかもしれなかったものを、そのチャンスをみすみすつぶしてしまったのだった…
――――