あらすじ
「婚約式典…招待状…」
姉であるアストリアから届けられたその招待状を横目に、私はじわじわと腹が立っていくのを感じた。招待状に記載されている、彼女の婚約者であるレオニアスは、私が以前目をつけていた男だった。…しかしなんの特徴もなく、なんの強みも持っていなかったため、私は一方的に彼との関係を終わらせた。そのうえで嫌がらせとして、あの女のあることない事を彼に吹き込み、その後の関係を観察してやることにしたのだった。
「…どうして…どうしてこうなるのよっ!!」
…しかしそれが思わぬ方向に作用したのか、二人の関係は信じられないほどに順調であった。さらにそれだけではなく、レオニアスの正体は上級貴族家の次期当主であるという事まで判明してしまった…
「…」
あんな何の特徴もない女がこんな勝ち組のような結果をつかむことができて、私がなんの結果も残せていないだなんて…やれやれ、本当にこの世の中は腐っているようね…
――――
婚約式典に行くかどうかは、直前まで迷った。しかし、あえて行くことにした。おそらく向こうも、私が来るとは思ってもいないはず。私への当てつけのためだけに、あの招待状も送ってきたはず。それならば、行ってやる以外にない。少しでも奴らの関係にほころびを生じさせるには、これしかない。