あらすじ
「婚約破棄すると言ったら、きっと取り乱すぞあの女(笑)」
「まったく、バーデン様もお人が悪いですなぁ(笑)」
臣下であるアルベルトと話しているのは、私の婚約者であるミレアの事だ。…いつもいつも私の機嫌を損ねるあの女に、なにか肝を冷やさせられるような事はできないか、そう考えた時に、一番に浮かんだものがこれだ。
「間違いなくミレア様は動転されましょうぞ。今からその姿を想像しただけでも酒が進みますなぁ(笑)」
「まったくだな、くすくす…」
アルベルトと共に笑い声をあげながら、私は結構の日をただただ待ちわびるのだった。
――――
「ミレア、よく来てくれたな。今日は君にしなければならない話があるんだ」
「話、ですか」
今日もまたこの女は私の機嫌を損なった。私以外の男に色目を使ったのだ。ただ目を合わせただけだとこの女は言い訳をしていたが、私の気はそんな事では収まらない。相応の報いを受けさせなければな…
「もうすでにアルベルトにも話を通しているのだが、君との婚約を破棄することに決めた」
「…え?」
くすくすくす。そうだろうそうだろう、心に堪えるだろう、この仕打ちは…くすくす…
「まあ仕方がないよな?そんなに残念がったところで私の気は変わらないぞ。そもそも自分が悪いんだからな?それを私のせいにされたところで何の解決にもならん。せいぜい悔い」
「分かりました、婚約破棄いたしましょう」
…え?