あらすじ
「自分の心が認める彼女に会いに行った。それがなんだというんだ?それが君の婚約破棄と何か関係しているとでも?」
どこか開き直ったような態度を取り始める彼。彼女というのは公爵の妹であり、かわいらしい容姿と性格であるともっぱらの評判の存在。私にとっては義妹にあたる人物。
私が思った通り、やはりこの婚約破棄を裏で仕組んでいるのは彼女なのだろう。彼女にとって私の存在が心良いはずがなく、どこかで私を追放してしまいたいと考えていることは容易に想像できた。妹に溺愛する公爵をそのままにしておくことができたら、彼を自分の意のままに操ることができるのだから。
しかし私が婚約を成立させてしまったら、それができなくなってしまうかもしれない。彼女はそれを恐れたことだろう。
「いずれにしてももう婚約破棄は決めたんだ。この私が直々にな。わかったならとっとと出て行ってくれたまえ」
私はその言葉に逆らうことなく、静かにその場を後にした。
…そして彼は、この婚約破棄をのちに大きく後悔することとなる…