あらすじ
ヌーナ大陸の南方に位置するハナラカシア王国の有力貴族、ホーリーデイ家の公女レイネリアは悩んでいた。それは姉妹同然に育った天才魔導師ミストリアが、神の御許に還る儀式のために旅立ってしまうからである。 出立前夜に意を決して同行を申出るが、翌朝目を覚ますとそこに相手の姿はなかった。彼女は王都オハリダを駆け抜け、苦難の末に追い付くと、力ではなく想いをぶつけるのであった。 帝国に入国した二人を待っていたのは皇女サナリエルであった。過激なまでに偏愛する皇女に翻弄される彼女であったが、帝都カンヨウにおける皇帝との御会見の後、様子がおかしいミストリアを気に掛ける。 疑心暗鬼から陰謀に巻き込まれた彼女は、歴代の当主たちが同行を断念した理由を知り、別離を選択するのであった。 ミストリアと袂を分かった彼女は、失意の内に皇女に籠絡されていく。しかし、忘れていた約束を思い出し、魔法を打ち消す「空」の力を開花させた彼女は、再びミストリアを追うのであった。 明かされるミストリアの過去。かつて、別大陸で姉と共に水の天人に仕えていた少女は、消えた姉たちを追ってヌーナへと渡り、空の天人「アーカーシャ」に滅ぼされてしまったことを知る。 少女は姉の思念と再会し、アーカーシャとの子を託される。不老不死である少女は魔法で幻の姿を纏い、王国で姉の子孫を見守りながら、いつか仇であるアーカーシャが宿るのを待ち続けていた。 そして、運命の男児が生まれる。しかし、まだ幼く空の力に耐えきれない彼を救うため、自らと同じ幻の姿を纏わせて女の子にしたのだった。 空の力の覚醒により男性へと戻り、そしてアーカーシャを宿す……そう考えたミストリアは、神の世界との狭間オノゴロで真実を告げて決闘を挑むが、彼女の命がけの説得により相討ちとなる。 帝国の侵攻により変貌する世界。彼は記憶を失った少女の手を引きながら、ここからやり直すことを誓うのであった。