あらすじ
「きみぃ、あのね、いくら本社から来たといってもね
この調子じゃちょっと困るんだよぉ、そろそろ君の能力を――」
「い、いや、あ、あのですね部長様。
ええ、ええ、仰りたいことはよくわかりますとも、ええ。
部長様のお言葉、美しい声、胸に染み、そしてええ、同時に痛みますとも、ええ。
部長様の期待に応えられない自分、それが恥ずかしくて恥ずかしくてもう、ええ。
時に部長様。朝、ご出勤なさる際、靴はどちらからお履きになられますか?
右? 左? あらら、意識されたことがない?
よおく、思い出してくださいええ、人間の記憶力というものは素晴らしいのですからええ。
お? 右? 右足から? さすが部長様! 人間の体の右側というものはですね
善や幸運の象徴でして、逆に左側が悪や不浄の象徴なんですよ。
なので、右側から履くと良いとされてるんですよ、ええ、さすが部長様!
無意識におやりになるとは、やはり清さが足から滲み出てますねぇ、ええ」