あらすじ
僕、葉月蒼汰には最近悩みがあった。 それは彼女ができないことだった。 身も心も寒い。 そう思っていたある日、僕はふと街中で可愛い女の子を見つけた。 その子は駅前の、いつも同じベンチに座っていた。 もう冬だっていうのに、それでも彼女はずっと、秋になるころからそこに座ってぼんやりと何かを眺めていた。 ……名前も知らなかった〝彼女〟と出会った時、時計の針は動き始めた。 これは僕と〝彼女〟が、最初で最後の北海道キャンプツーリングへと行く、そんな話だ。 大した話ではない。 でも――僕にとっては、人生でもっともかけがえのない旅になった。 僕はこの旅を、一生忘れることはないだろう。