あらすじ
「悪い事は言わないわ。…彼の性格とあなたの性格は合わないと思うから、早まったことはやめた方が」
「はいはい、実の妹に愛する婚約者をうばわれて悔しいのは分かりますけど、今何を言ってももう負け犬の遠吠えですわよ、エルカお姉様」
私の言葉をさえぎり、生意気な口調で言葉を発するこの女は、私の実の妹であるフィーナ。…昔から私の持つものを奪って行っては、私の表情に愉悦を覚えるという、いい性格をしている女。…そして今回、あろうことか私の婚約者に手を出してきた。
「もう一度言うわ。これはあなたのためでもあるの。早まったことはしないで、やめ」
「はぁ…しつこいですね、お姉様も、ブラクッド様は確かに私をお選びになられたのです。お姉様ではなく、この私を。これ以上説明が必要ですか?」
私は良心から警告を発してあげているというのに、全く聞く耳を持たない彼女。やはり彼女の中にあるのは、私を地獄に落とし、そのさまを見届けたいという思いだけのようだ。これ以上何を言っても無駄なようだから、私は警告を発することをやめることにした。
「まあ心配はいりませんわ。お姉様の分まで、しっかりと幸せになりますから。お姉様は早く新しい旦那様をお探しになった方がよろしいですわよ?…まぁその時は、また同じことが起こるかもしれませんけれど。くすくす…」