あらすじ
岡山県玉野市に恐ろしくも悲しい伝説がある。
今を遡ること動乱のさなかの室町時代、安芸出身の盲目の座頭たち五人がいた。
一念発起して信濃の善光寺へ参るべく、瀬戸内の海を船旅の途中であった。
ところがその全財産に眼がくらんだ船頭。座頭たちは金品をまるごと奪われたうえ、ちっぽけな岩礁に置き去りにされ、潮が満ちてきて海の藻屑と消えたという。
……この悲劇伝説には諸説がある。
五人とも溺れ死んだのではなく、うち一人が近くの海岸に打ち上げられ、生き残ったともされているのだ。
本作は、この生き残った座頭の逸話を題材に、恣にアレンジした物語である。
岩礁から近くの無人島に命からがら逃げた座頭の一人、杜の市。琵琶法師だった。
口封じするために追ってくる船頭、鬼市郎。
因果な運命の綾糸が織り成すさなか、得体の知れない不気味な島で命がけの遊戯がくり広げられることになる……。
※本作は夏のホラー2021企画作です。テーマは『かくれんぼ』。
※本作には現代の社会通念および人権問題に鑑みても、差別的、不適切な表現や語句が含まれておりますが、作中における時代背景を描写するにあたり、避けては通れませんでした。どうかご了承ください。