あらすじ
時は昭和の末。舞台は鎌倉、戦前生まれのとある洋館「船」。怜於は十歳で養父知毅に引き取られ、船に乗り込んだ。船の主龍明は、怜於のもう一人の養父となった。二人の養父に溺愛された怜於は二人を慕い、十三歳になった年に決心する。二人の女になると。 知毅と龍明。二人に恋をしたのは、怜於だけではない。二人が恋をした少年蓮實は、どちらも選ばず、二人の兄弟となった。知毅の許婚信乃は、二人への恋を恥じて去った。少女時代に知毅に振られた一凛は、龍明を選び、彼の妻となった。 そして1984年。怜於は十六。知毅を落として婚約する。しかし、龍明のことも諦めていない。龍明の妻一凛は、「彼を落としたら譲る」と約束している。世界で一番龍明が好きという、龍明の従姉薫は、龍明を深く愛する男久世と、聞いた人はたいてい呆れるような、おかしな条件で結婚した。知毅と龍明を愛し、二人から愛される男蓮實は、信乃に求婚。一年お付き合いしてみませんかと言われて、交際を始める。