あらすじ

「…ああ、聞いてくれとも…あの女、また僕の言ったことを忘れていたんだ…一言一句聞き逃さないようにメモ書きをしておけとあれだけ言っているのに、このざまだ…はあ、本当どこかへ出ていってくれれば気が楽なんだがな」

「言えてますわね。旦那様のお気持ちもくみ取れないような女、婚約者を名乗る資格もありませんわ」

 そうかそうか、お二人とも私の事を陰でそんな風に言っていたのか…

 今私が聞き取っている二人は、私の婚約者とその秘書の女だ。…え?なんで二人の秘密裏の会話が聞き取れるかって?
 それは私の属性に関係がある。私は生まれつき魔法使いとしての才能を有していたものの、その力は炎を発したり雷を落としたりするものではなく、いわば盗聴スキル…

 はあ。もともと気が進むような婚約でもなかったし、あの男もあの秘書も特段魅力があったわけでもないし、今更ここにも心残りなんてないし、なんだか吹っ切れたような気がする。私も出ていきたい気持ちがあるし向こうも私に出て行ってほしいのなら、お互いの利益となろう。私は快くその願いを受け入れることとした。

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アルファポリス
アルファポリス2023/09/21
  • 現在の作品私のことは陰では「出て行ってほしい」と言われているらしいので、お望み通り出て行って差し上げます。