あらすじ

「この瞬間をもって、セレーナ、君との婚約はなかったことにさせてもらう」

 ライゼン騎士王は、低く高圧的な口調で私にそう告げた。

「…つまりは婚約破棄、という事ですか?私よりもあなた様にとって都合のいい存在が見つかったために」

 私がそう口にした途端、騎士王はどこか表情をこわばらせた。なにか癇に障るところがあったのだろう。

「さあ、なんのことだか。まぁ最後だから告げておいてやろうか。君は生意気を言い過ぎたんだ。僕は騎士王だぞ?どう考えたって君よりも僕の方にこそ正義はある。それなのに私のやることをいちいち否定して、そんな君に魅力はないよなぁ」

 自分が使用済みとみた人間を切り捨てたり、箔が押されている人を助けようとするのは当然の事ではないだろうか。私はそれらを行おうとした結果、この人に嫌われてしまったらしい。

「ここを出された君になど存在価値はないだろうねぇ。誰も拾ってもくれず誰にも必要とされず、もう会う事もないだろう。せいぜい元気で暮らしたまえ」

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