あらすじ
”魔災蟲”と呼ばれる怪物と、人類が戦闘を繰り広げている世界。 フォーランズ帝国軍のスラム上がりの伍長ジン・グリードは、名誉欲で命令無視を繰り返した挙句”戦争欠乏症(ウォーレス)”と呼ばれる北の辺境へと左遷された。 ここ50年ほど”魔災蟲”との交戦記録のない、平和な僻地。 そこに飛ばされたジンを出迎えたのは、無駄にアットホームな配属先、ウォーレス第03分隊の3人の少女達。 ジンと同じ東洋人で、”刃狂魔”と銘打たれたチェーンソウブレイドを持っている軍曹、ハル・レインフォード。 金髪碧眼で見た目完全にお嬢様だが普通にガトリングガンを振り回している伍長、シェリー。 そして、通信機越しでは饒舌だが普段はおどおどしている銀髪の二等兵、戦術支援官のリズレット・シャテム。 全員酒好きで自分たちを”バッカス”と呼んではばからない奴らに出迎えられて早々嫌気がさして転属願を出しに行ったジンの耳に、けれど突如、その”戦争欠乏症”では響かないはずのアラートが響き渡った。 そう、このウォーレスは平和ではない。むしろ真逆。 軍事裁判を受けた者だけが集められ、記録も報酬も昇格も勲章もないままただただ日常として”魔災蟲”との戦闘を繰り返す、ある種の流刑地、懲罰部隊だったのだ。 幾ら戦果を挙げようと出世の目がなく、一生ここで飼い殺しにされる。 それを聞かされたジンに、このウォーレスの基地司令、アレックス・サルバス中佐は言う。 この場所に暗殺された皇族の隠し子がいる。 その皇族が、帝国へのクーデターを企んでいる。 その皇女を見つけ出せば、……出世への片道切符になるだろう。 ハル、シェリー、リズ。3人のうちの誰かが皇女で、クーデターの中心人物。 それを探り出し栄転する為、スラム上がりの鉄砲玉は、”バッカス”での日々を過ごすことにした。 陰謀、酩酊、狂気、悪夢、戦争……そして日常。 深入りするほど救いの消える雪の僻地で、スラム上がりは温もりと喪失を知る。 これは、一人の少年がただ、大人になるだけの物語――。 *完結まで毎日19時投稿予定。全39話。