あらすじ

ティナ・ライツバルト公爵令嬢は、ライツバルト家の長子として生まれた。 ティナの生後一ヶ月で行われたお披露目にで、恐ろしい出来事が起こった。黄泉の帝王ハーデスを名乗る美しい青年――招かれざる客である彼が宣言したのだ。 「十八歳には冥府の皇后として迎えに来る」と――。 明るさとお転婆な少女となったティナだが、五歳のときに階段から転げ落ちる事故で死に瀕した際に、黄泉の帝王ハーデスによって冥府から送り返される。まだ幼すぎる花嫁を、ハーデスは現世に送り返したのだ。 その出来事により、ティナは自分が赤ん坊のころにハーデスに呪われたことを知った。 しかしポジティブな彼女はこう言い放った。 「十八歳になるまでは死なないってことでしょ」 その後、病弱だった母が死に、継母が嫁いできた。 継母の策略により事故に合いそうになるティナだが、ハーデスによって助けられる。十八歳になるまで、冥府には呼べないと、彼女を事故から救ったのだ。 その後、義妹アニカが生まれると彼女の屋敷内での扱いは酷くなっていく。 しかし彼女の明るさと心身の強さ、生への執着、それに加えて意外にマメなハーデスのサポートにより、苛烈な環境で生き延びた。 十八歳になる三ヶ月前のこと、王宮の舞踏会に参加する。義妹アニカとフリッツ皇太子殿下の、お見合い前の顔合わせを目的とした舞踏会だ。 アニカの侍女扱いで連れてこられたティナだが、そこでフリッツ殿下に見初められてダンスに誘われる。 黄泉の帝王ハーデスの鳴らす不吉な音楽のなか、ティナとフリッツ殿下はダンスを踊る。 十八歳になる前に婚約をしてしまえば、黄泉の帝王の呪いは解けるのではないか。冥府に行くなんてまっぴらだ。 そう考えたティナはフリッツ殿下と婚約する。 「愚かな娘よ、不幸な結婚になるぞ。お前の選択で、国を巻き込んだ不幸が起こる」 ハーデスは不吉な言葉を残す。 王太子妃となったティナを待っていたのは、宮廷の実権を取り仕切る厳しい義母・コルドラ皇后陛下との嫁姑争い。 フリッツ殿下はコルドラ皇后陛下に逆らえず、夫婦仲も冷え込むばかり。 子供のころの、厳しいながらも近くにハーデスの気配があり、マメにお節介をされていた思い出を心の支えにするようになる。 そんな中、コルドラ皇后殿下が亡くなり、国政は一気に不安定になる。 民衆の不安は爆発し、革命が起こり、国に不幸をもたらした呪われた王妃としてティナは糾弾されて処刑される。 処刑の瞬間、ハーデスが手を差し伸べ、ティナはその手を取る。 処刑されたティナの遺体は、美しい微笑を浮かべており、遺体はいつまでたっても生きていた頃の姿のままだった。恐れた民衆から、彼女の遺体は教会にて厳重に保管された。 冥府の皇后となったティナ。 思っていたほど冥府は悪いところではなく、生活は快適。ハーデス過保護なほど甲斐甲斐しく、ティナが冥府に馴染むように気を回してくれる。 ティナは、母が生きていた幸せな幼少期以来の、穏やかな時間をすごす。 冥府の皇后としての生活に慣れたころ、ハーデスとティナのもとに冥府の住人からの訴えが寄せられる。 最近、地上からの流入者が多くて冥府と地上のバランスが崩れているという。地上を調査させると、どうやら都市の中心部を流れる川に原因があるらしいことを突き止める。 地上に助言を与えるために、ティナは一つの策を考えた――。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
カクヨム
カクヨム2023/08/04
  • 現在の作品ハーデス様は溺愛気質〜黄泉の帝王の呪いを受けた赤子と言われた私が、冥府の皇后になりました。地上では処刑されましたが、冥府のついでに地上の困りごとを解決していたら今では聖女として祀られているらしいです〜