あらすじ

「男でも女でもなく、両性具有の天使でなければ天使の歌声は出せない」 そう言ったのはアンヘルだった。 僕の歌声に鼓舞されて、少年部隊は今日も略奪を開始する。体が小さくて銃も下手くそな僕が、ゲリラの隊長に殺されないですんでいるのは、僕の誰よりも美しく高音を紡げる喉のおかげだ。僕は暴力の中を、歌だけで生き延びている。 それなのに、略奪に入った村には僕と遜色なく歌える少年、アンヘルがいた。僕は自分の存在価値がなくなり殺される可能性に怯える。 けれど、そこに現れた女は僕とアンヘルの歌声を聞き比べると、ふたりともを濁ったダイヤモンドでゲリラから買い取った。 ダイヤモンドで買われた僕らは、天使の歌声を保つために去勢され、歌唱法を学び、また誰かに買われるための「商品」として育てられることになる。 天使は男でも女でもない。ゲリラを率いていた大人のような筋肉もつかない。ただ歌うためだけの存在だった。 そして立派な「天使」となった僕は、大人の男となったゲリラ時代の仲間と、再会する。

連載情報

ウェブ小説

配信言語