あらすじ
2039年。 今より少しAIが発達し、今と変わらずネットは混沌としていて、今より少し若者たちに厳しい時代。そんな時代の"世界一安全な国"日本・東京で、三人の若者の運命が交差する。 奇特な価値観を持ち、世間とひとつも相容れない少年━━見鹿島 ハバキは、ビルの軒下に座り込む。今後の生存戦略を思案する為に。 進学校での地獄のような日々に耐えかね、ついに逃げ出してしまった少女━━佐間宇 サヤは、褪せたグラフィティの通りを走る。己に追い縋る全てから逃避する為に。 天才的な『AIデザイナー』として、"AIを造るAI"『メアリー・スー』をデザインし、最終的には彼女と『駆け落ち』した異端の男━━鵐目 椒林は、ひとり車を走らせ行く。AIとの間に芽生えた、純粋で歪な愛情を守る為に。 彼らはいずれも、自身の置かれた環境に耐え切れず、逃避を選択した者達だった。 学校から、職場から。 無理解なクラスメートあるいは同僚から。 そして、目前に広がっていたはずの平和な未来から。 この物語は、そんな敗者達への恩赦である。 「━━ 人生ってのは、本来もっと自由なんだ。金銭、法律、倫理……その他諸々が壁になっているだけで」 昼は少年、見鹿島 ハバキ。夜は怪人、アラハバキ。 彼は仲間と共に、今日も東京の夜空を翔ける━━。