あらすじ
「もう失踪して1年…この心は満たされないままだ…」
サラマス最愛の妹であるオリビエがいなくなってから一年が経過していた。彼は周囲から偏愛と言われるほどに彼女の事を溺愛していた。そして彼女もまたそんな兄の性格に付け込んで、周囲の人間を意のままに操っていた。
「…おいリリア。こういう時オリビエは僕に慰めの言葉をかけてくれるんだ。分からないのか?」
リリアはサラマスの婚約者であった。けれど、ただの婚約者ではない。彼が自身の心に空いた隙間を埋めるために連れてきた、言わば仮初の婚約相手なのだった。
無理難題を押し付けるサラマスの言葉に反論するわけでもなく、ただただリリアは静かに彼の言葉を受け止めるのだった。