あらすじ
椎名 紘は放課後のパソコン室で、画面の中で歩くアニメーションをしている赤ずきんを目にした。 そのアプリを開発したのは有坂ことり。高校二年生の先輩だ。 話の流れからアプリで遊ばせてくれることになったが、緊張していた紘はどうやって作られているかを聞いてしまった。 その質問が彼女の興味を引き、喫茶店でプログラムの授業を受けることになったのだ。 喫茶店で行われるふたりの授業。人懐っこいことりに紘は少しずつ仲良くなっていく。 ・・・ 夏休みを間近に迎えた日、紘と友人たちはことりに呼び出された。 彼女が見せてきたパンフレットは、<ゲームクリエイターズMtg!>。アマチュアのゲームクリエイターによる祭典だ。 大会の優勝を目指し、皆で協力してシューティングゲームを開発していくことになった。 まるで部活のような雰囲気に、皆の心に楽しみが広がっていた。 最初のステージが完成した日、自然と拍手が巻き起こる。 ことりはその日寝付けない程に気分が高揚していたが、一抹の不安も抱いていた。 小学生の頃に味わった苦い記憶がよみがえる。RPGゲームの育成方法について、クラスメイトとケンカをしたのだ。 自分は正しい情報を説明しているのに、嘘をついていると言われる始末だった。 言い争いは大きく転がり、「ゲームを作ってみせる」と宣言することり……。 この話を聞いた紘は、「育ててくれた先輩のために、自信を持って作る!」と告げる。 チームの中に絆が生まれていた。 ・・・ 結局のところ、大会では優勝することができなかった。 それでも、自分たちのアイディアを模索したゲームの仕様が評価されて<特別賞>をもらうことができた。 これから成長する余地があるという。 夢を持っているだけではなにもはじまらない。 実現するには、語り合える仲間を作るのが一番だから。皆で見る夢はひと味違うから。 この活動を通じて、大切なことを学んだのだ。 夏を駆け抜けた日々は、ことりの宝物になった。