あらすじ
【冒頭抜粋】 〝神は存在するのか〟 情けない問いだ。 存在すると思っている人の中には確かに存在し、存在しないと思っている人の中には、少しも存在しない。 それが神だ。 それは畏怖であり、戒律であり、愛だと、私は考えている。 しかし、残念ながら私は神に出会ってしまった。 日が暮れ始めた町に、家々の明かりがまばらに煌めいていた。 私はいつものように降車ブザーを鳴らし、トラムから五丁目の交差点へ降りる。 そしてその交差点で、その人は私のものになった。 そして私もまた、その人のものになった。 ※特定の宗教の話ではありません。