あらすじ
東京都I市にある山吹医科大学附属病院で、当直を務めていた研修医が刺殺体で発見された。看護師のひとりが生前の被害者を最後に見た時刻を証言するが、それは警察が割り出した死亡推定時刻よりも後だった。若く実直な研修医は死してなお臨床の場に向かったというのか。
一方そのころ。九相図殺人事件を解決に導いた恒河沙法律は、全国に散らばった四人の実妹を探偵事務所に呼び戻すための行脚から帰還した。一人で帰ってきた法律に籐藤刑事は詰問する。三人の妹は近く探偵事務所に戻ってきてくれると告げる法律ではあったが、一人の妹からは強く拒絶の意志を示されていた。
「その子はどこでなにをしているんだ」
「東京の大学病院で働いています」
『恒河沙の兄妹』シリーズ長編第二弾。