あらすじ
「もともと君を婚約相手としたのは、なにも君に惹かれたからではない。君の持つその血筋に興味があっただけだ。僕がにらんだ通り君の血筋は聖女の血筋。その能力を使うことでしか得られないものこそ、僕の必要としたところなのだ。…まさか、自分に僕を引き付けるだけの魅力があるとでも思っていたのか??それはとんだ笑い話だな(笑)」
大きな声でそう言葉を発する彼は、もう余裕満点といった様子だった。私を婚約破棄で追い出してしまえば、もう自分の思い通りにすべてがなると確信しているような雰囲気を感じる。
けれど、彼は大きな勘違いをしている。それを教えてあげるべきかどうかと、私は頭を悩ませていた。しかし彼の目には、そんな私は婚約破棄を避けるべくどうするかと考えている風に映ったのだろう。
「どれだけ頭を回そうとも、もう婚約破棄は決定事項だ。なにがあろうとも覆ることはないぞ?」
むしろそれだけ言われたほうが、私としても決心がつくというもの。それならなにも伝えずに済むのだから。
「わかりました。婚約破棄に同意いたしましょう。あなたがそれでいいのなら」
彼は私の言葉をただの負け惜しみだと思ったことだろう。それが自分自身を破滅へと導くとも知らずに…