あらすじ
中学生の最後の年。初恋相手だった幼馴染の間藤真昼(まとうまひる)が死んだ。 彼女は天才と称されるくらいのピアニストで、他人の感覚を追体験できるVRソフト「イミテイト」では誰もが彼女の演奏を体験したがるほどの人気者で、周囲から将来を期待されていたのに――あっけなく死んだ。 その日から僕――竹田清春は、VRを利用すると体調に異変が生じる「仮想現実適応障害」を発症する。 真昼の死のショックと原因不明の病を抱えながら二年の月日が過ぎた頃。 僕の前に、雨宮美月という少女が現れた。 彼女は真昼と正反対の性格で、容姿もまるで似ていない。 なのに雨宮は、真昼と同じ台詞を言う。同じ考えを持つ。同じように行動する。 何より彼女のピアノ演奏は、真昼とそっくりだった。 これは偶然なのか。僕の思い込みなのか。 それとも―― ――これは仮想現実がもたらす、願いの物語。 ※本作は過去と現在の時系列を交互に展開しています。タイトルの年月を目安に読んでいただければ幸いです。