あらすじ
二十歳を迎えた者は自身の最側近となる騎士を選定する。それがミカエリス皇族における決まり事だ。「戦狂いの姫」と呼ばれるほど武勇の誉れ高きシルヴィア・エル・ミカエリスは「飼う必要性をまるで感じない」との理由でそのルールを突っぱね続けてきた。しかし二十八を迎えた折、父である皇帝からいよいよ「いい加減、言うことを聞いてくれ」と泣きつかれしかたなくその言葉に従うことにする。自ら選考を行い、シルヴィアは自らのお眼鏡にかなう男を見つけた。名はヴィンセント・バロウズという。
やがて隣国の侵略によりシルヴィアの母国――帝国は亡きものと化した。各地で跳梁跋扈を働いていた東国「グェイ」にいよいよ乗っ取られてしまったのだ。殺しは露わ、凌辱も顕著。許せないことではあるが、負け戦を強いられた国はどうあれ無理も強いられる。
帝国を見捨てるわけにはいかない。なにせ自らを生み、育て上げた土地だ。取り返さなければならない。だが現状、それは難しい。だったら、どうすればいい? 機を待ち、見極めるしかないだろう。
まずはあちこちへと流れようと思う。
そのうちなにかが見つかるかもしれないから。
※短編「魔女と呼ばれる第三皇女は、最初で最後の騎士を飼う」の連載版です。
https://ncode.syosetu.com/n3425hn/