あらすじ
ティアナとの婚約を果たし、狙い通りに事は運んでいる。もとより彼女への愛情なんて皆無であるためか、この婚約がどうなろうとも罪悪感などはかけらも感じない。
「カサル、君はどう思う?」
召使であり、この伯爵家を大きくした立役者でもあるこの男。その目に狂いなどない事だろう。
「旦那様がお考えの通り、この婚約を破棄して幼馴染のリリナ様へさや替えされるタイミングとしては、この上ないかもしれません」
私が望む回答を、そのまま提示てくれるこの男。だからこの男を側近と認めているのだ。
「よし、時間稼ぎの婚約はもう終わりだ。ティアナはもうその役目を果たしたことだし、追放してしまってもいいだろう。後の事はこれから調整しよう。今後の事を考えるのが楽しみだ」
機嫌を良くしながらそう話すリケイド。しかし彼には想い届かない点がひとつだけあった。それはもうすでに、二人の心情に気づいたティアナは、先に行動に出ていたという事に…