あらすじ
わたしは玄間 クロ。普通の女の子。
今日も昨日と変わらない今日を、ひどく退屈で憂鬱な午後を過ごすはずだった。
――目の前に、手でキノコを食う化物少女がいた。
冬の日。雪が降った、冬の日のことだった。
この世界は、化物によって壊された、らしい。みんな「化物」だったり、ゲンセイ生物って呼んでる。そんな化物。
人間は山奥に引きこもったり、固まって暮らしてたりするらしい。わたしは前者らしいけど、わからない。
わたしはわたしの村に、化物の女の子――まりもちゃんを招く。
理由はお腹がすいているらしいから。誰にでも優しく明るく振る舞えるのが、わたしの「強み」だもん。
夕ごはんは、コンビーフ丼。備蓄のなかでは少し豪華だ。
自家栽培してるから米だけはいっぱいある。炊いたそれの上に、缶半分のコンビーフと醤油とマヨネーズを混ぜたものをのっけたやつ。
無表情でどこか嬉しそうにそれを食べるまりも。しかし、それを見るみんなの目はすこし不安げ。備蓄食糧が少なくなってきたとぼやく。
不安な顔なんて見せちゃダメだ。いつも通り笑って変なこと言っちゃって、安心させないと。
……まりもが、わたしの頬をなめた。
そんなとき、ばん、と音がした。
そんな、冬と化け物の話。
長編の第一話にしようと思ったけど短編としてあまりに完成され過ぎてたので。
pixiv、およびカクヨムなど各サイトに掲載中の「雑多掌編集」にも掲載します。