あらすじ
「お兄様、あんな奴と婚約して私を一人ぼっちにされるのですか…?」
甘えるような口調でそう言うレイナ。彼女の兄であるライオットはエミリとの婚約を控えており、彼女にとってそれは面白いものではなかった。
「大丈夫だよレイナ。僕にとって一番大事なのは君に決まっている。けれどこれは仕方のない婚約なんだ。お互いの立場を確固たるものとするうえで、避けては通れない事なんだ」
妹を溺愛するライオットと、これまでその思いを巧みに利用してきたレイナ。だからこそ彼女にとっては、これほど自分にとって都合のいい存在が無くなってしまう事を恐れているのだ。
「それじゃあ僕はもういくよ。明日の食事会は君とエミリとで、ゆっくりと話をするといい。これからの事も含めてね」
そう告げると、ライオットはレイナの前から姿を消した。明日の準備にでも言ったのだろう。彼は終始穏やかな口調でそう告げたものの、それ聞いていたレイナの方は全く穏やかな表情を浮かべてはいなかった。