あらすじ

夏
遠藤さくら(著)
夏の暑さが規模を拡大しながらのみこむように、私の体を蝕んだ暑さ。暑いとはこれほどまでに疲労せしものなのかと考える。考えれば考えるほど虚しくなり、虚しくなれば空虚が襲う。襲うとは東京大空襲だが、私のしらない歴史がそこにはあるのだろう。活版の匂いが大好きなように、歴史の重みを感じながら人として生きることの伝うという技術とは、辞典ディクショナリーに同じく。わたしは、マグカップが空っぽなことにふと気付く。珈琲を注ぎにいこうか、それとも誰かが気付くまで待ってみようか。のどかな東京という砂漠の中にて、さんぽ歩いてはにほ退くような生活を送っている。それだけ、東京とは、めまぐるしい速さでうごめいているのだが、わたしがその足並みに揃えることもあるまい。人はそれぞれの生き方があるのだから。営みとは、森羅万象が影を落としたかのようであった。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
アルファポリス
アルファポリス2023/08/28
  • 現在の作品夏 遠藤さくら(著)