あらすじ
「これがユフィのための薬で、これは西側内地から取りよせた高級毛布、こっちがお肉でこっちが…」
せこせこと準備をするこの人は、私には全く気を向けるつもりはない様子だ。
「…そんなところに突っ立っていないで、少しは君も心配したらどうなんだ?今や無関係な人間ではなく、君にとっても肉親となる彼女の話なんだぞ?」
聞こえこそご立派だけれど、端的に言えば彼は妹がかわいくて仕方がないのだ。ユフィと私の関係はお世辞にも良好とは言えず、それは私たちの婚約関係においても影響していた。それはすなわち私と彼女の間には確執があると思ってもらっても差支えはない。
「そ、そうは言われましても…こんな事もう何度もあったので、正直本当なのかどうかも私は思っているところでして…」
「はぁ?まさかユフィが態度を偽っているとでもいうのか?君は一体どんな心をもってそんなことを言っているんだ?僕は彼女と長い時間を共に過ごしてきた。彼女ほど純粋で美しい人を僕はいまだかつて見たことがない。それは婚約者たる君とて例外ではない。…婚約者と言う立場におぼれて、自分を過信してしまっているんじゃないのか?悪い事は言わないから、そういうところは直していった方がいいと思うぞ?」
聞いてもいないことをつらつらと。この人は本当にあの妹がかわいくて仕方がないらしい。それこそ救いのないほどに。