あらすじ

以前、“電気兎”との対決でトーキョウを訪れたあとロンドンにも行って、師匠に散々たかった後、実は夜も遅くなったので後学のためと、高級ホテルでスイートルームに一泊させて貰った。 あの時の師匠は本当に太っ腹だった。師匠によると世界的にも有名なホテルだという建物は、趣きのある伝統的な宮殿のような造りで、部屋もアンティーク家具をはじめ高級な装飾品が集められた非日常的な空間だった。 料理も本格的な英国料理を楽しめ、翌朝はコンチネンタル・ブレックファーストを堪能した。 とにかくバスタブとか、什器とか、照明類がとても洗練されていて、是が非でも私達の世界でも再現したいと思った。 とにかく今を逃せば、いつ地球に来られるかわからない。 師匠に頼み込んで、翌一日だけ買い物というか、仕入ツアーに付き合って貰った。勿論、情けない話、お財布は師匠持ちだ。 主にホームセンターに、大型家電店、アンティーク家具の店など片っ端から回った。時間が惜しいので、見つからないように転移で移動した。 購入した家具や、大型家電、水洗トイレ用の便器や配管に必要な諸々、これも見つからないように片っ端からストレージに収納していった。 出色は、デロンギというメーカーのエスプレッソ・マシーンだ。 これを見つけたときは、小躍りして喜んだ。 何しろ、師匠の魔宮ダイニングで出されるカプチーノが一味違うのを突き止めた私は、わざわざ厨房を覗きに行って、大きな真鍮製のタンクを持った抽出器の存在に行きついていたからだ。 あれと似通った味が家庭で出せるなら、これほど心躍ることは無い。 中華料理用の火力の強い、業務用コンロなども仕入れてきた。ガス管の敷設と供給はナンシーに頼んで特別に用意して貰った。 何しろ、ナンシー艦内には火力用のガスを使う施設やインフラなど皆無だったからだ。 我が家の増改築は、3人が好き放題したので若干調和を欠く部分もあったが、おおむね満足している。 中庭に面してヴォールト回廊を配したり、切妻屋根にドーマー窓を付けてみたり、パティオには睡蓮の四角い池を作ったりと、ほぼ出鱈目だったが、不思議とアンバランスさが心地好かった。

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小説を読もう2021/09/11
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