あらすじ
大陸の中央に位置するグランウェル王国は、北を高山、南を〈魔樹海〉に挟まれている。 異国から侵攻されたことがほとんどない代わりに、人や家畜を襲う魔獣と戦って来た歴史は長い。 古来から異能を持つ者を取り立て、やがて魔獣討伐専門の騎士団を創設した────それが、羽ばたく白鷲の旗を掲げた〈白鷲騎士団〉だ。 白鷲騎士団の救護助手イリーナには、人に言えない秘密がある。 彼女は、使い方次第で善にも悪にもなる、魅了眼の持ち主なのだ。 「魅了眼のことは誰にも話してはいけない」「命の危険があるとき以外は力を使ってはいけない」 亡き母と交わした約束を守る為、彼女は十年間、魔力なしを装い、長い前髪で顔の半分を隠し、人と目を合わせることをひたすら避けてきた。 そんな対人恐怖症気味のイリーナ(18)が、ある日突然、白鷲騎士団団長ゼノン(25)と結婚することになるのだが────。 王国の為に魔力を使うことになったイリーナと、彼女を支えるゼノンの、じれじれご夫婦恋愛物語。