あらすじ
lorem ipsum(名) (1)出版、ウェブデザイン、グラフィックデザインなどにおいてしばしば使用されるダミーテキストの典型的な様態。グリーキングの一種。 (2)キケロ著『善と悪の究極について』の一節。当該箇所は『苦痛そのものを、それが苦痛であるという理由で愛したり、探したり、手に入れることを望んだりする者もいない』という和訳になる。 (3)本作に登場する異能力者たちの総称。 (4)あらゆる関係を持たない人間の総称。 ★あらすじ 自他ともに認めるお人好し、大学二年生の有動航は、親しかった大学の”先輩”――海嶋円果の失踪事件を追っていた。だが一人やみくもに捜査を続ける航に、彼のインターン先の上司、夜嘴は言う。 『この事件には、一種の異能力者たちが関与しているね』 『私は彼らをロレム・イプサムと呼んでいるんだ』 ロレム・イプサムとはなにか。海嶋はどこへ消えたのか。 終わらないモラトリアムの中で、事件の真相を探っていくうちに、航と夜嘴は次第にロレム・イプサム同士の戦いへ巻き込まれていくことになる。闇は街の姿以外の何も映さず、ただ静かに佇んでいた。 《主な登場人物》 有動航……主人公。大学二年生。出版社『凪浜グラフ』にインターン中。好物はプリン。お人好し。 夜嘴環……『凪浜グラフ』の社長。ヘビースモーカー。性格に非常に難がある。航のことを気に入っており、解りにくい世話を焼く。 海嶋円果……航の先輩。生活能力が壊滅しており、航に世話を焼かれていた。水泳サークルに所属している。失踪中。 尾武嵐……航の友人。ホスト。単位が本当にギリギリ。有動航の親友を自称するが、真偽は不明。