あらすじ

過去の経験により人と仲良くなり過ぎることを極度に嫌う主人公、優珠は、小学五年生のある雨の日に、近所の公園で五十鈴という名前の少女と出逢った。 雨が好きだと言う五十鈴は少し変わっている子で、両親に口止めされている秘密、「雨と話せる」ことを優珠にだけ打ち明ける。自分を信頼してくれることに特別な感情が芽生えた優珠は、自分も雨と話せると嘘を言い、共有した秘密を「かくしごと」と呼ぶことにした。 時が経ち、同じ高校に入学した二人は距離を置いた学校生活を送っていた。優珠は過去についてしまった嘘を。五十鈴は雨の声が聞こえなくなってしまったことを。それぞれが同じように罪悪感を抱いていた。 廊下で会っても素っ気ない態度になってしまう優珠と、気後れしてしまう五十鈴。ちょうどその日を最後に、五十鈴の姿が見られなくなった。 不安に思った優珠は、部活を終えると五十鈴の家を訪ねた。しかし、五十鈴の家にはいなかった。確認のため家に上がった優珠は、五十鈴の部屋を見て驚いた。中はもぬけの殻だったのだ。 雨が降る翌日。後悔に苛まれる優珠の耳に、突然何かの声が聞こえてくる。それは雨の声だった。雨の声は、探し物が、五十鈴と出逢った公園にあると優珠に告げた。聞いた優珠は、一目散に公園を目指していた。 しかし、公園に五十鈴の姿はなかった。絶望におそわれ気力をなくした優珠は、薄れゆく意識の中で自分を呼ぶ声を聞く。声の主が五十鈴だと気がついた優珠は、安心感で涙を流した。 「……わたしの、目の前からいなくならないって、約束して」 「もちろん」 「裏切ったりしない?」 「絶対に」 「他の子と仲良くならないで」 「優珠が望むなら」 二人は今までお互いがついていた嘘を謝り、素直な思いを打ち明ける。そして、新たな「かくしごと」によって、強く固く結ばれるのだった。

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カクヨム
カクヨム2018/11/27
  • 現在の作品かくしごと