あらすじ
4月。中学一年生になった箕島藍梨は、部活にも入らず、塾にも通わず、のんびりとした学校生活を送っていた。 放課後になったら友達とカフェに行ったり、カラオケで歌ったりしたい。 そんな願望をぼんやりと抱えていた藍梨だが、クラス内で行われた恐怖のじゃんけん大会で全敗してしまう。 結果、運動部よりも忙しいことで有名な図書委員に選出され、嘆く羽目に。 活動初日、落ち込んでいた藍梨が出会ったのは背が高く、やけに顔が整った箕島くんだった。 彼は「う」と「ん」しかしゃべらない寡黙すぎる男子で――。 ※ネタバレ注意(コンテスト用) ●ヒロイン 中学一年生 箕島藍梨(みしまあいり) おしゃれ好きな普通女子。 スマホはこっそり持つタイプ ●ヒーロー 中学一年生 鷹村陽翔(たかむらはると) 背が高い。イケメン。寡黙。読書家。 交換日記ではやたらとおしゃべり 長編化した際のプロット↓ デートを重ねていくうちに、想いが通じ合っていく二人。 回を追うごとに甘やかしてくる鷹村くんに、藍梨はたじたじ。 図書館での仕事もすっかり慣れた7月頭。事件が起こる。 なんと古くなった図書館を取り壊すという噂が広がり始めたのだ。 その際には昔の蔵書の多くを破棄し、負担となっている図書委員の数も減らすという。 一部、面倒な仕事が減って楽になると発言する生徒もいて、委員内の意見も真っ二つ。 三年の五十鈴先輩は、高校生になっても図書館に通おうとしていたくらいにこの場所を愛していた。 その主張に胸打たれた藍梨は、同じく図書館存続側に立つ鷹村くんと一大プロジェクトを立ち上げる。 まずは生徒一人一人の意識を変え、できるだけ図書館に足を運んでもらえるようにする。 面白い本をたくさん紹介したり、朗読会を開いたり、図書館内を使った謎解き大会なんかも開かれた。 その他にも、二人でポスターを制作したり、チラシを配ったりと頑張る。 鷹村くんに告白してきた生徒会長は図書館存続に反対だったが、次の生徒会選挙で賛成派の子に軍配が上がる。 その新生徒会長(これまたイケメン)を加え昼休みの放送を使い書籍の紹介や、学内HPを使った動画の公開なども行う。 最終的には先生たちをも巻き込んで、古い蔵書がいかに貴重で勉強になるかなどの真面目なスピーチ大会が開かれる。 最初にスピーチをするのは藍梨だ。 本についてのエピソードはもちろん、最初はあんなにも嫌だった図書委員がこんなにも好きになったこと。 大切な人ができたこと。その人とともに、図書館を守りたいことを伝える。 気がつけば二人で紡いだ交換日記も10冊目に突入していた。 (内容は、甘々なものから、工事を中止に追い込むための計画まで様々) 最後にスピーチをするのはまさかの鷹村くんだ。 「う」と「ん」しかしゃべらなかった無口な鷹村くんが堂々と宣言する様に、思わず泣きじゃくる藍梨。 夏休みに突入し、いよいよ工事が始まろうとする。 図書館に泊まって、中から椅子でバリケードなどをつくり工事を延期させようとする二人。外から、五十鈴先輩たちも協力する。 翌朝、先生たちがやってくる。実際には藍梨たちの声がしっかりと届き、取り壊しは中止になっていた。(夏休みが開けたら発表する予定だった) 今回の工事は外壁の補修と耐震などの補強工事ということだ。 安堵し、気絶するように眠る藍梨をすぐ隣で見守る鷹村くん。 結局、夏休みも当番漬けだが、もう面倒だとは思わなくなっていた。 お盆になり、図書館も休みに入る。 二人で海にでかけて、はしゃぎ、遊んだ後に日記を渡される藍梨。 中身は白紙だった。「日記帳は、これで最後にしようと思う」「……うん」藍梨の方が少し寂しくなる。でも鷹村くんは、もう口で、言葉で、愛情を伝えることができるからだ。 手をつなぎ、帰りの電車に乗る。白紙の日記帳は、思い出を写したアルバムになる予定だ。